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数学史、整数論、数学オリンピック、未解決問題・・・をわかりやすく証明を通して解説していきます。

2007年度の日本数学オリンピック予選問題3


を満たす整数の組 (a、b)の組はいくつあるか。

この問題も2007年の数学オリンピックの予選問題の9問目ですが、4問目と同様に整数に関する問題になりますね。
しかし、四問目よりもややこしい作りになっている。

数学オリンピックに出てくる整数問題は結構、数え上げに尽きるという面もあるので、これも根気よ く数え上げてやりましょう。

ちなみに私は答を知らないので、間違っていたらごめんなさい・・・




まずは、どう料理していこうか??

aかbかの方程式F(a)、F(b)として考えて、因数分解???

そんな事しても、おそらく解けないだろうなぁ・・・と思ったらやめましょう。



とりあえず、両辺を(aの2乗)で割っちゃいましょう

その前に、実際の解答では「aは0でない時」と一言、添えておきましょう。
これがなければ、確実に減点となります。


すると

この式を①と置きましょう。

この両辺は整数にならないとおかしい。

ってことは(bの3乗)は(aの2乗)で割り切れるわけですな。

という事は(b)は(a)で割り切れる。


※これに疑問を持った方は、センスあります。こういう疑問はどんどん持っていきましょう。
 こういう疑問から理論は解明・発展していくわけだ。

ここからが重要


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2007年12月31日 | 数学オリンピック予選 | トラックバック(0)件 | コメント(1)件



公約数、公倍数の性質

a、b、cを整数とする。
cがaの倍数でなおかつbの倍数であるとき、cはa、bの公倍数であるという。
cがaの倍数でなおかつbの約数であるとき、cはa、bの公約数であるという。


abは常にa、bの公倍数であり、したがってa、bの正の公倍数の中で最小のものが存在する。
これをa、bの最小公倍数と呼ぶ。
a、bの公約数は有限個しかないから、a、bの公約数の中で最大のものが存在する。
これをa、bの最大公約数と呼ぶ。

a、bの最小公倍数をlcm(a, b)  最大公約数をgcd(a, b)で表す。


こういった公約数、公倍数には次の性質が見られる。

これも証明と共に説明していこう。



a, bを自然数とする。

①a、bの公倍数はlcm(a、b)の倍数である。

②ab=lcm(a、b)gcd(a、b)が成り立つ。

③a、bの公約数はgcd(a、b)の約数である。

④cを自然数とする。gcd(a、b)=1で、なおかつa|bcならば、a|cである。
 (a|bとは、bはaで割り切れる事を表す。)




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2007年12月28日 | 初等整数論 | トラックバック(0)件 | コメント(1)件



初等整数論の基本1




「初等整数論」とは、我々がごく当たり前に使う整数の基本的性質についての分野である。

これは即ち、全ての法律においての前提である「日本国憲法」の位置すべての会計手続きにおいての前提である「真実性の原則」の位置そのものに他ならないと自分自身は解釈している。

これは非常に重要な部分である。


だからと言って、必ずしも「ルール」や「約束事」という訳ではない。

ルールも「理由のあるルール」もあれば「理由のないルール」もある。

これはまさに、数学でいう「定理」と「公理」の違いのようなものだ。



まずは、その最も大前提となる「割り算定理」から話してみよう。

「割り算定理」とは「ある整数が、ある整数によって割り切れるかどうか。即ち、商と剰余に関する基本的定理」である。



a、bを整数とする。
このとき、a=bq+r、0≦r≦b-1を満たす整数q=q(a)、r=r(a)がただ一つ存在する。a、bが非負ならばqも非負である。


これを証明してみよう。



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2007年12月23日 | 初等整数論 | トラックバック(0)件 | コメント(1)件



2007年度の日本数学オリンピック予選問題2

ついでなんで、2007年度でもう一問やってみよう。
パッと見、簡単そうな第三問目。


平面上に長さ7の線分ABがあり、点Pと直線ABとの距離は3である。AP×BPのとりうる最小の値を求めよ

この辺りはサクッといきたい所だ。
しかし、どういう風に簡単に求めていくべきか?

まぁ、図示すればこうなるね。

07122102.jpg

この辺りの問題は時間短縮の為にヤマをはって「PはABの真ん中だろう」って考えた人も結構いるんじゃないかな?

まぁ、経験から予測するっていうのは重要だけど、その場合はきちんと確かめないと後悔してしまう。(自分自身もよくやってしまう・・・)


まぁ、上の図から「tの方程式にもっていって、関数のとりうる値を調べる」っていう所がベタベタな所かな。
そうすれば、tに関して4次関数が現れる。それを微分してグラフの形を調べて・・・

大体、想像できるけど、なんか面倒臭そう・・・


ここは発想の転換をしてみよう。




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2007年12月21日 | 数学オリンピック予選 | トラックバック(0)件 | コメント(2)件



2007年度の日本数学オリンピック予選問題1

2007年度の日本数学オリンピック予選問題から一つ解いてみようと思います。
ちなみに本当の解答は知らないので間違ってたらごめんなさい。


(4問目)
「nは十の位が0ではない4桁の正の整数であり、nの上2桁と下2桁をそれぞれ2桁の整数と考えたとき、この2数の積はnの約数となる。そのようなnをすべて求めよ。




まず、この問題を解答する時、どのように解くべきかを考える。
要するに「何を文字にすべきか?」ですね。

ここでは4桁の整数という事なので、1の位、10の位、100の位、1000の位をそれぞれ1桁の整数a、b、c、d (a、cは1以上の整数)と文字に変えることができる。

しかし、ここで疑問を持ってもらいたい。



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2007年12月20日 | 数学オリンピック予選 | トラックバック(0)件 | コメント(0)件



離散数学1

サッカーボールの形ってお分かりだろうか??

「12枚の正5角形と20枚の正6角形が組み合わさった辺の数90、頂点の数60の立体である。」

正20面体の頂点を切り落とした形から「切頂二十面体」とも言われている。

この立体の辺を必ず通り、全ての頂点を必ず一回だけ通るようにして、スタート地点に帰ってくる方法は何通りあるだろか??

0soccer-ball-figure.jpg


こういった数学の問題を離散数学と言う。

離散数学とは一個一個がバラバラ、独立した事象が有限個ある状態を扱うジャンルである。
なので基本的には全てにおいて手法や結果が存在するのが特徴なのだ。

数学の中では比較的新しいジャンルである。

アルゴリズム的な解答に基本的に計算を主とした証明が少ないので、高校数学で学んだ計算知識をあまり必要としないから、とっつきやすい。
しかし、だからと言って簡単なわけでは決してない。

計算知識があまり必要ではないと言っても、考え方や理論は完全なる数学的論理思考なので、言葉で相手を説明・証明しなければならないのだ。


数学オリンピックなどでも、近年この種の問題がよく出題される。

基本的な知識として「鳩ノ巣原理」「離散量の不動点定理」などが重要となるだろう。
下にこの二つの知識の意味を書いておくが、基本的に証明に計算はほとんどいらないことがわかる。「当たり前でしょ」と言いたくなるが、もちろん証明はできるし、できる必要がある。

次の機会に例題でも書いておこうと思う。




「鳩ノ巣原理」

n匹の鳩とn+1個の鳩ノ巣がある。
このn匹すべての鳩が巣に帰ったら、必ず一個以上の巣に二匹以上の鳩がいる。


「離散量の不動点定理」

nを定まった正の整数とし、1≦k≦nとなる整数k各々に、1≦r≦nなる整数rを対応させる関数F(k)があり
k1≦k2 ならばつねに F(k1)≦F(k2)
であるならば
F(m)=m となる整数m(1≦m≦n)が存在する。


参考リンク
「鳩ノ巣原理」はこちら
「離散量の不動点定理」はこちら



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2007年12月17日 | 離散数学 | トラックバック(0)件 | コメント(1)件



数の歴史3  ~ 数学の女王 ”数論” ~

人は歴史と共に「数」を利用してきた。
そして、「1対1の対応」の後、長い年月をかけ「量」「順番」・・・に発展させてきた。

原始時代は計算を表すのに小石や木の欠片を使ってきたが、それでは計算の記録が残らないという事を理解し、「数の記号化」、そして「記録」するようになっていった。
これは5~6000年以上前の事である。


そして「数」と共に発達し「文明」を手に入れた人間は、農耕、狩猟という生活の糧に「測量・計算」が発達していったのである。

特にエジプトではピラミッドなどの巨大建造物や、天文観測などの為に、測量・計算技術はかなり発達したと言われている。

この頃のエジプトの人間は経験的に、辺の長さが「3:4:5」の三角形は直角三角形になることを知っていたようである。

これはまさに、現代数学の中学校で学ぶ「ピタゴラスの定理」である。
当然、この時代にはピタゴラスは生まれていない。

まぁ、だったらなぜ「ピタゴラスの定理」と呼ぶのか?
これはまた、ピタゴラスについて話すときに書くとしよう。

付け加えると、同じ頃に中国でもこういった計算は知られていたらしい。




すでに、数学の美しさの片鱗を表してきたではないか。

18世紀に生まれた レオンハルト・オイラーは言った。

「数学は自然科学の女王、数論は数学の女王」と。



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2007年12月10日 | 数の歴史 | トラックバック(0)件 | コメント(1)件



数の歴史2

ここを読んでくれているような人はおそらく一度くらい
「数字ははいつ、どこで、誰が、何のために作ったんだろう」
と思う事もあったと思う。

それは「原点回帰」

当たり前の常識と思っていたことにふと疑問をぶつけてみると、必ず新たな発見がある。
これは数学に限ったことではない。



ところで話を戻させていただきます。
まぁ、前回書いたことをさらに追求する形になっていくんですけどね・・・


おそらく、あなたも公衆トイレに行って臭かったことってあったと思う。
けれどもそれを「どれくらい臭かったか」を伝えることはできるだろうか?

「めちゃくちゃくさい」とか「ちょっとだけくさい」とか「かすかにくさい」くらいにしか表現できないのではないだろうか??

「それとモノを数えるのとは違うんじゃないの??」と聞こえそうではあるが、「数字の概念」のない先人にとってどちらも変わらないのである。

まぁ、今は匂いを数で表すことができるようにはなったが、「昔の人間はなぜ匂いは数で表さなかったのか?」という問いには深く追求していかないでおこう。

(おそらく、その答えは人間が他の生物と比べて匂いの数値化に関しては生物学上、進化の過程上必要性が薄かったのかもしれない。)


ただ、それほど「数の発見」というものは人が組織化していく上で非常に重要なものであったと認識してくれれば十分であろう。

それだけで、単純なスタートを始めた「数学」がこれほど忌み嫌われる「一つの教科」になってしまうという不思議さを感じてもらえるだろうと思う。

そして、それは学べば学ぶほど「複雑怪奇」「単純明快」な世界を堪能できるはずである。


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2007年12月09日 | 数の歴史 | トラックバック(0)件 | コメント(0)件



数の歴史1

何千年も昔、人間はモノを数えるとき「1」、「2」、「たくさん」としか数える事ができなかった。
もちろん数字など見る影もなかった。

この現代に生きる我々は、その頃の人たちと比べてどれ位、頭がよくなったのだろうか?

実はその頃の人達の脳と我々の脳は、ほとんど変わっていない。

確かに先人達は学習し続け、それを伝えてきた。

それが証拠に、通勤、通学の途中に見る横断歩道の縞模様をパッと見て一瞬で何本の白線があるかわかるだろうか?
駅の階段を見て何段あったか分かるだろうか?

これを答える事ができるなら、その人は天才である。
それが不可能であるからこそ、「数を数える」という事を発明したのである。


それから、何年かたち、「1対1の対応」というものが現れた。

原始時代、石器時代に狩に出かける。
参加できる人間は10人だったとしても、その頃の人間達は数を数える事ができない。

武器をたくさん用意しても少なすぎても無駄である。
ここで先人は一人に対して一本という 「1対1の対応」を利用し、それを数字でも文字でもない記号使って「人の数(集合)」と「武器の数(集合)」を対応させたのである。

現在でも、現代科学が届いていない地域でこういった地域があると言われている。


戦国時代、豊臣秀吉は山に生えている木を数えるために、縄を用意して「一本につき一本の縄を巻きつける」事を繰り返し、用意した縄から残った縄を引いて、正確に木を数えたという。

これは人類にとって大きな一歩だったのである。

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2007年12月08日 | 数の歴史 | トラックバック(0)件 | コメント(0)件



プロフィール

オイラー

Author:オイラー
・得意分野
 整数論、解析学、幾何学
 複素数、数列 etc
・苦手分野
 行列、群論

質問、相互リンク等連絡があれば、kick_back_endless_shock◎yahoo.co.jpまでお願いします。

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