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数学史、整数論、数学オリンピック、未解決問題・・・をわかりやすく証明を通して解説していきます。

2008年日本数学オリンピック予選問題 第九問

またしても、記事の更新が遅れてます・・・


いくら数学が好きとは言えども、簡単とは言えない数学の問題を解いて、わかりやすくまとめる作業を普段の生活の空き時間に全て費やすのは難しいのであります・・・(逃)


そして、また、第八問まで2008年数学オリンピック予選問題を連続で解いて記事にしたからには、最後の十二問目までやらないと気になる。

いわゆる、「乗りかかった船」ってやつです。



(第九問)
08000004.jpg

これも、結構難しい。

難しいというか、正確に「証明せよ」と言われるとつらい・・・

幸いにも、実際の試験は答えだけでいいので、何とか考えれば、最終的な答えにはたどり着けるはず。

しかし、答えた人も「その答えが何故ミニマムなのか?」と証明を求められると、ほとんどの人は答えられないと思われる。


1から順に、数字を書いていっても、それは証明にはならない。


さて、どう解いていこうか?


この問題はいわゆる「数列の総和を求める」ものではあるが、この問題の難しさは「隣り合わない数列の項に因果関係がない」所にある。

要するに、数列に漸化式が適用できないという事だ。


しかし、漸化式が適応できない数列は、「数列」というよりは「集合」に近い意味を持つので、計算というよりは理屈がこの問題のポイントになるだろうという事が想像できる。
(計算がない分、頭で整理できれば簡単という言い方もできる)


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2008年01月30日 | 数学オリンピック予選 | トラックバック(0)件 | コメント(5)件



2008年日本数学オリンピック予選問題 第八問

続いて第八問目いきます。

正直かなり面倒くさかった。
はっきり言って、この解答が正しいのか間違っているのかわかりません・・・(泣)


(第八問)
08000005.jpg


全てを数え上げるのは相当な勇気がいる。
それは数学的な能力とは無関係とは思いながら、数え上げてやろうかなと思った。

しかし、残念ながら私にはその勇気はなかった・・・



まずは問題の意味を正しく理解しよう。

「表向きの硬貨が右にない、または、左にないとき、裏返せる。」

これは、「表向きのコインが裏向きのコインに両隣をはさまれている時、裏返す事ができない。」と理解した。
また、「両端のコインは隣に裏向きのコインがあったとしても、反対側はコインそのものがないので裏返す事ができる」(「表向きの硬貨が右にない、または、左にないとき、裏返せる。」の条件を満たす)と解釈。

08012301.jpg

果たして、この解釈は本当に正しいのか??
問題文わかりづらい・・・


試しにコイン3枚~4枚あたりで様子を見て、おそらく順列・組み合わせの視点からでは困難と判断。

数列の視点から問題を解いてみる。


まず、表向きのコインが8枚並んでいる。
表を「○」、裏を「●」とする。

08012302.jpg

この8枚は、全て一度目の試行では裏返すことが可能
ランダムなので、確率は1/8

例えば、ここで左から3枚目のコインを裏返したとする。
この裏返したコインによって、「コイン2枚の集合」「コイン5枚の集合」に分けられた事になる。

08012303.jpg



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2008年01月23日 | 数学オリンピック予選 | トラックバック(0)件 | コメント(1)件



2008年日本数学オリンピック予選問題 第七問

しばらくサボっていましたが、再び2008年の数学オリンピックの予選問題を解いていきたいと思います。
後半になってくると、予想通り難易度が高くなってくる。


しかし、めげずに挑戦してみよう。


(第七問)

08000006.jpg



平方する前の値をと置く事からはじめよう。

nの平方は6桁の整数なので
08012001.jpg
よって

08012002.jpg
ここまでは容易にわかると思います。


さてここからです。



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2008年01月21日 | 数学オリンピック予選 | トラックバック(0)件 | コメント(1)件



2008年日本数学オリンピック予選問題 第五問 第六問

さらに続けて、日本数学オリンピック予選問題へ突撃。

前回に解答した第四問目で軽く疲れたけど、実際の試験は制限時間もある。

サラッと第五問、第六問にチャレンジ



(第五問)
08000007.jpg


これは、簡単でしたね。

左のカードから順番に
08011601.jpgとしたら、分かりやすいかな

もっと問題をわかりやすくすると

08011600.jpg
○一番左は「i=1」なので、全ての数字を置く事ができる。
○左から二番目は「i=2」なので、全ての数字を置く事ができる。
○左から三番目は「i=3」なので、3、4、5、6のいずれかを置く事ができる。
○左から四番目は「i=4」なので、4、5、6のいずれかを置く事ができる。
○一番右は「i=5」なので、5、6のいずれかを置く事ができる。



一番右の数字、即ち「i=5」の場所から考えよう。

一番右には5、6のいずれかしか置けないので、組み合わせは2通り

左から四番目は、4、5、6のいずれかを置く事ができるが、5、6のうちのどちらかは、一番右に置かれているので、この場所に置ける組み合わせは2通り

左から三番目は、3、4、5、6のいずれかを置く事ができるが、4、5、6のうちの二つの数は使われているので、この場所に置ける組み合わせは2通り

左から二番目は、全ての数字を置く事ができるが、3、4、5、6のうちの3つの数は使われているので、この場所に置ける組み合わせは2通り

一番左には、全ての数字を置く事ができるが、この時点で残ってる数字は2か3のいずれか一つしか残っていないので、この場所に置ける組み合わせは1通り


よって、題意を満たす組み合わせは2×2×2×2×1=16通り

また、2、3、4、5、6をランダムに並び替える組み合わせは、5!=120通りなの

で、求めるべき確率は16/120 = 2/15




(第六問)
08000008.jpg

08011603.jpg

「約数倍数の関係」って言わずに、「整数倍」とか言ってくれたら、もっと瞬間的に問題が理解できるのだが・・・


この問題は、なんかおもしろいね。

「約数倍数の関係」「数が等しくなる」というキーワードから、整数問題として考えてしまうと、糸口は見えないだろう。

さて、どう解くか



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2008年01月17日 | 数学オリンピック予選 | トラックバック(0)件 | コメント(1)件



2008年日本数学オリンピック予選問題 第三問 第四問

早速、第三問も第四問もサクサクっといってみたい。
もちろん、答えはわからないので、間違っていたらごめんなさい・・・



(第三問)
08000009.jpg


私個人としては、もう少し、問題文をわかりやすく書いてほしいところ。

一見、とっつきにくそうにも見えるが、(←おそらく文章がそうさせているんだと思う)内容はごくシンプルである。


では解答

1111円支払って、もらえる釣り銭の硬貨の種類は500円、50円、5円の三種類のみである

という事は

釣り銭のパターンとして
500円玉がある場合ない場合
50円玉がある場合ない場合
5円玉がある場合ない場合

で2×2×2=8 の8通りしかない

8通りであれば、数え上げても、さほど苦にならない。

即ち、もらえる釣り銭は

555円
550円
505円
500円
55円
50円
5円
0円  の8通り

よって、買い物金額は

556円
561円
606円
611円
1056円
1061円
1106円
1111円
  の8通り


「この払い方は最小枚数であり、・・・」って部分は、恐らく
1106円の買い物をするのに1110円払うのではなく、1111円払うという事なのだろう。
1106円の買い物に1110円払うと、1円玉が4枚のおつりが来て、手持ちは1円玉が5枚にはなるが、「釣り銭に払ったものと同じ種類の貨幣はない」という条件は満たしている。
なぜなら、1円玉は持ってはいるが払ってはいない。

恐らく、そのまま8通りで正解だと思われる。


(第四問)
08000010.jpg





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2008年01月16日 | 数学オリンピック予選 | トラックバック(0)件 | コメント(0)件



2008年日本数学オリンピック予選問題 第一問 第二問

1月14日、成人式の日

ついに年に一度の数学大会「日本数学オリンピック」の予選が行われましたね。

この大会は「国際数学オリンピック」の日本代表6名を選抜する為の試験でもあるので、数学者の卵達が腕試しにと、こぞって参加する。

「日本数学オリンピック」~「国際数学オリンピック」の問題となると、かなり頭を悩ます難問が次々出てくるが、「日本数学オリンピック予選」の問題は「決して易しくはない。しかし、高度な知識は必要ない。必要なのは、柔らかな発想、論理的本質を見抜く目」という事で数学を本気で楽しむには、ちょうどいい教材だと思う。


ブログの趣旨として
「難問でも読めば理解できる。楽しめる。」
「実際に問題を解いてる最中の目線で文を書く」という目標を掲げているので、またその超難問もいずれ紹介はしていきたい。


という事で、2008年度の数学オリンピック予選問題を解答していきたいと思う。

(第一問)と(第二問)を連続でどうぞ。




(第一問)
08000012.jpg




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2008年01月15日 | 数学オリンピック予選 | トラックバック(0)件 | コメント(0)件



正五角形の作図

古代エジプトの時代から、幾何学を学ぶと、まず始めに出てくるのが、「正多角形の作図問題」である。

定規とコンパスのみを使った古典的手法で、いかに正多角形を描くかを探求していくわけだ。



定規とコンパスを使えば、正三角形、正四角形、正六角形など簡単に作図が可能である。

それを拡張して、「正八角形」、「正十二角形」もそれぞれ「正四角形」「正六角形」の辺を二等分していく事で作図が可能となる事がわかるだろう。


要するに「正素数角形」が作図できれば、角や辺を二等分したり重ね合わせたりすることで、すべての「正多角形」が作図できるはずである。


実は正三角形、正方形、正五角形、および2や3や5に2の累乗数をかけた数の頂点を持つ正多角形が作図可能である事は古代ギリシアの時代より知られていた。

しかし、正七角形以上の「正素数角形」は、当時は作図できるかどうか未解決であった。


これに関する話は、また話すとして、今回は「正五角形の作図」に挑戦したいと思う。



正直言って、余計な知識なしに、コンパスと定規だけを手に持って正五角形が書ければ、その人は恐ろしい直感を兼ね備えてると思われる。

普通に人には計算を無くして、正五角形を作図することはおそらく不可能に近い。

では早速いってみよう。


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2008年01月14日 | 幾何学 | トラックバック(0)件 | コメント(2)件



コンパスのみで、円周を四等分できるか

youtubeで「たけしのコマネチ大学数学科」という番組を見てたら、大変興味深い問題をやっていた。



「コンパスのみで円周を四等分できるか?」という問題であった。


ちょうど話のネタとして、「正多角形の作図」をテーマに記事を書いてみようと思っていたので、その前フリとして紹介してみたい。



問題のポイントは使用できるのはコンパスのみで、決して定規を使ってはいけないという所。

定規を使ってはいけないという事は、つまり直線を引けないという事である

ちなみに、この問題は出演者は誰も解くことができなかった。



一度、挑戦してみるといい。

08011300.jpg
この状態から何を始めればいいのか?

定規が使えれば、即答できる。
コンパスだけでは、直線が書けないので、垂線や角の二等分線が書けないという状況に困惑することになるだろう。

しかし、コンパスだけでも全く情報がないというわけではない。

コンパスで円を書いたら、その円の「半径」を使って「円周の六等分」は書く事ができる。


それでは、答えを書いてみよう。




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2008年01月13日 | 幾何学 | トラックバック(0)件 | コメント(3)件



「数学」という存在

「偏差値社会」による害悪は、今も昔も言うまでもないところではあるが、、数学好きにとって、こと理系というカテゴリーの中で「偏差値社会」に対する是非を社会に問うのは、最も残酷な事である。



排他的とも言えるほど、「論理の組立て以外を認めない学問」として、「人間のモラル」なんかとは比較にならない程に必然性のある「数学」。

そんな「数学」を好きになった人間にとって、「偏差値による評価」が認められれば認められるほど、より自分の評価は上がる事を知っている。

しかし、人類が持つ無数の「進化を前進させる」というあらゆる特技の中で、受験勉強における「偏差値」は、無数にある評価の内の一つに過ぎない事も同時に知っている。


だからこそ、数学者は「世の中を変える」「世界の真理を解く」という言葉など言うに及ばず、「言葉一つで相手を納得させる」と言った様な、論理的であっても軽々しく高圧的で世の中を悟ったかの様な態度は一切とらず、あくまで「今、自分の課題にしている研究」に没頭し、「変化は進化」をただ邁進していくものであると、私自身感じている。





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2008年01月12日 | 数学の意識 | トラックバック(1)件 | コメント(0)件



素数3 「素数の性質」

素数に関して、今回はかなり突っ込んだ内容を話したい。

素数は無限に存在する事は分かったが、素数の性質そのものに関しては、しばらくの間何も分からなかった。

一体、素数って何者なのか?
謎だけが深まる。



それを1737年、オイラーが一歩を踏み出すこんな式を発見した。
08011201.jpg
 08011202.jpg

これは、「自然数全体に関する和」「素数全体に関する積」が等しいという驚くべき式である。

やはり、素数はただ無秩序に存在しているわけではなく、自然数と密接な関係を持って存在している。


しかし、この式を見て、どう思うだろうか?
「なんだこれ?」
が率直な感想だと思う


これを解説していきます。




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2008年01月11日 | 素数 | トラックバック(0)件 | コメント(0)件



東京大学物語

受験数学というのは個人的にあまり好きではない。

数学好きの人間が興味を持つのは、問題の裏に潜む緻密さ、完全性、論理性の上に成り立つあまりに美しすぎる自然科学の法則であって、あらかじめ用意された文章に穴埋めしていくだけの問題にはなんら興味を持たない。

なぜなら、それはただの記憶がなせる技であって、決して自由な自然科学の探求になりえないからだと考える。

しかし、だからと言って学校で習う受験数学の全てを否定しているわけではない。
もちろん記憶した公式などから、新たな発想が生まれる事も多々あり、自由な探求の足がかりの幅を広げてくれる。



まぁしかし、そんな堅苦しい言葉を抜きにして、数学を楽しめればいいかなと思います。

そんな中で、ちょっと前にあった漫画で「東京大学物語」ってあったのをご存知でしょうか?
ドラマ化もされたので名前だけでも知っている人も多いのではないだろうか?

基本的には恋愛モノなのだが、時々出てくる数学、生物、物理、古文等の問題がおもしろい。
特に数学に関しては、筆者も思い入れがあるのか、結構エレガントに解答を示しているのが目に付く。


そんな解法を示したいと思う。




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2008年01月09日 | 受験数学 | トラックバック(0)件 | コメント(1)件



素数2 「素数の存在意義」

08010802.jpg


前回、素数に関してごく初歩的な事を書いた。
今回もまた同様に初歩的な事をわかりやすく書きたいと思う。


素数は「1とその数自身以外に正の約数を持たない」という性質から、自然数の中に紛れつつ「原子」のような存在感を放っている。



計算技術がまだ紙と鉛筆の時代には、最大の素数を見つける事も一苦労だったという事を前回書いたが、果たして

「素数は無限にあるのか?」
「素数には限りがあり、最大の素数があるのか?」


を示したいと思う。

先に言うと、「素数は無限に存在する」のだが、その証明は知っていなければ、なかなか示せないものではないか?

正直言うと、自分も中学の頃、この証明に直面してストレートの解答を示せなかった記憶がある。


では証明




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2008年01月08日 | 素数 | トラックバック(0)件 | コメント(1)件



素数1   「数の原子」

080102.jpg




素数というのは非常に不思議な数である。

これほどまでに、数学者達を魅了し挑戦させ続けるが、その挑戦をはなから拒み、いまだ解明を否定し続けている。

実際、素数に関してはまだまだ未解決な問題も多い。



2500年以上昔、ピタゴラスの時代から自然数(1、2、3、4・・・)をあらゆる角度から考察してきたが、素数に関しての理解はその後2000年近く、ほとんど進歩しなかった。

特にコンピューターが数学において強力な武器となっている現代ならいざしらず、昔は計算も全て紙と鉛筆である。
当然、大きな素数を探し出すにも限界があった。


ちなみ現在見つかっている最大の素数は


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2008年01月02日 | 素数 | トラックバック(1)件 | コメント(0)件



プロフィール

オイラー

Author:オイラー
・得意分野
 整数論、解析学、幾何学
 複素数、数列 etc
・苦手分野
 行列、群論

質問、相互リンク等連絡があれば、kick_back_endless_shock◎yahoo.co.jpまでお願いします。

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