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数学史、整数論、数学オリンピック、未解決問題・・・をわかりやすく証明を通して解説していきます。

素数1   「数の原子」

080102.jpg




素数というのは非常に不思議な数である。

これほどまでに、数学者達を魅了し挑戦させ続けるが、その挑戦をはなから拒み、いまだ解明を否定し続けている。

実際、素数に関してはまだまだ未解決な問題も多い。



2500年以上昔、ピタゴラスの時代から自然数(1、2、3、4・・・)をあらゆる角度から考察してきたが、素数に関しての理解はその後2000年近く、ほとんど進歩しなかった。

特にコンピューターが数学において強力な武器となっている現代ならいざしらず、昔は計算も全て紙と鉛筆である。
当然、大きな素数を探し出すにも限界があった。


ちなみ現在見つかっている最大の素数は

08010202.jpg
である。

普通に十進法で表示すると、980万8358桁になるらしい。
紙に印刷すると1800枚分の量になる。(Wikipedia「素数」より)

ちなみに下のリンクは、この最大の素数である。
参考までにどうぞ。
「最大の素数」
(txtファイルでなっているが、数字だけのテキストのくせに10MB弱の大きさ・・・泣ける)


「素数」とは、ご存知の通り、1とその数自身以外に正の約数を持たない。
つまり1とその数以外のどんな自然数によっても割り切れない。
そんな自然数の事を素数という。

これは自然数や整数の積を考える上で基本的な構成要素であり、整数論等において重要な役割を果たしている。


そんな素数の性質、数学の基本定理である「素因数分解の一意性」について証明したいと思う。

要するに
「どんな数も一通りの素数の積によって表す事ができる。」
(6=2×3、16=2×2×2×2 など・・・)
という事である。


この「素因数分解の一意性」を示すには、二つの点について証明が必要となる。

①どんな数も素数の積であらわすことができる(素因数分解)
②その素因数分解は必ず一通りだけである事

では証明してみよう。




背理法によって証明しよう。


いま、素数の積の形で表せない2以上の整数が存在すると仮定する。
そんな整数のうち最小の数mに注目してみよう。

mが素数なら証明の必要はない。

mが素数ではないなら、mは正の約数dを持つことになる。

という事は
m=d×e (1<d<m、1<e<m d、eは整数)
と表せる。

さきほど、mは「素数の積の形で表せない整数の中で最小のもの」と言った。
という事は
d、eは素数の積の形
08010203.jpg
で表せる。

よってmは
08010204.jpg
と書くことができる。これは初めに書いた仮定に反している。



ある整数aが二通りの素数の積で表せたとする。
08010205.jpg
と書ける。(与えられた式はp、rに関して対称なのでp<rとする)

t1はmの約数であり、また素数であるからt1と同じ数がsのなかに存在している。
便宜上、t1=s1とおく。

これを延々と続けていくと
最後には
08010206.jpg
となる。

これは必ず一通りに表せることを意味している。


どうだろう、素数についてはまだまだ書いていきます。




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2008年01月02日 | 素数 | トラックバック(1)件 | コメント(0)件



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