
素数というのは非常に不思議な数である。
これほどまでに、数学者達を魅了し挑戦させ続けるが、その挑戦をはなから拒み、いまだ解明を否定し続けている。
実際、素数に関してはまだまだ未解決な問題も多い。
2500年以上昔、ピタゴラスの時代から自然数(1、2、3、4・・・)をあらゆる角度から考察してきたが、素数に関しての理解はその後2000年近く、ほとんど進歩しなかった。
特にコンピューターが数学において強力な武器となっている現代ならいざしらず、昔は計算も全て紙と鉛筆である。
当然、大きな素数を探し出すにも限界があった。
ちなみ現在見つかっている最大の素数は

である。
普通に十進法で表示すると、980万8358桁になるらしい。
紙に印刷すると1800枚分の量になる。(Wikipedia「素数」より)
ちなみに下のリンクは、この最大の素数である。
参考までにどうぞ。
「最大の素数」(txtファイルでなっているが、数字だけのテキストのくせに10MB弱の大きさ・・・泣ける)
「素数」とは、ご存知の通り、1とその数自身以外に正の約数を持たない。
つまり1とその数以外のどんな自然数によっても割り切れない。
そんな自然数の事を素数という。
これは自然数や整数の積を考える上で基本的な構成要素であり、整数論等において重要な役割を果たしている。
そんな素数の性質、数学の基本定理である「素因数分解の一意性」について証明したいと思う。
要するに
「どんな数も一通りの素数の積によって表す事ができる。」(6=2×3、16=2×2×2×2 など・・・)
という事である。
この「素因数分解の一意性」を示すには、二つの点について証明が必要となる。
①どんな数も素数の積であらわすことができる(素因数分解)
②その素因数分解は必ず一通りだけである事
では証明してみよう。
①
背理法によって証明しよう。
いま、素数の積の形で表せない2以上の整数が存在すると仮定する。
そんな整数のうち最小の数mに注目してみよう。
mが素数なら証明の必要はない。
mが素数ではないなら、mは正の約数dを持つことになる。
という事は
m=d×e (1<d<m、1<e<m d、eは整数)
と表せる。
さきほど、mは「素数の積の形で表せない整数の中で最小のもの」と言った。
という事は
d、eは素数の積の形

で表せる。
よってmは

と書くことができる。これは初めに書いた仮定に反している。
②
ある整数aが二通りの素数の積で表せたとする。

と書ける。(与えられた式はp、rに関して対称なのでp<rとする)
t1はmの約数であり、また素数であるからt1と同じ数がsのなかに存在している。
便宜上、t1=s1とおく。
これを延々と続けていくと
最後には

となる。
これは必ず一通りに表せることを意味している。
どうだろう、素数についてはまだまだ書いていきます。