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数学史、整数論、数学オリンピック、未解決問題・・・をわかりやすく証明を通して解説していきます。

完全数をもとめる ~その1~

いまさらですが、完全数・・・

大体、このブログのような数学系サイトを見られる方にとって、最も有名な数の一つである完全数など今更だとはお思いでしょうが、もう少し突っ込んでみたいと思います。

完全数というのは「6(=1+2+3)」のように、その数自身以外の約数の和が、その数と等しい自然数の事で、6以外には、28、496、8128、・・・がある。


ピタゴラス学派は、初めの完全数が「6」なのは「神が6日間で世界を創造した」こと、次の完全数が 28 なのは「月の公転周期が28日である」ことと考えていた。
我々からすれば、いかにもとってつけたかのような考え方ではあるが、整数の性質についてほとんど知られなかった時代に、「万物は数である」と考えていたピタゴラスは、よほど完全数に神秘的な美しさを感じていたに違いない。


コンピューターの発達した現代でさえ、未だ完全数は44個しか見つかっておらず、全てが偶数である。
ある数が完全数なのかどうかを調べさせるのも、かなり苦労のいる作業なようです。

その44番目の完全数というのが
08030601.jpg
で、( )で括られている方の数の桁数で、980万8358桁だというのだから、時間もかかるというもうなづける。


そして、未だ「完全数は無限にあるのか?」「奇数の完全数はあるのか?」については未解決のままとなっている。


08030602.jpg

まず、ある数Nが完全数だったとする。

Nを素因数分解すると
08030603.jpg
だったとしよう。

08030604.jpg

この事から、Nが偶数、すなわち、素因数分解した時に2を因数に持つときは
08030605.jpg
という形なり、メルセンヌ数が常に約数となっている。

※ちなみにメルセンヌ数とは
 08030606.jpg
 という形になっている数のこと


ちなみに、これを発展させ
08030607.jpg
という事が分かっている。

→は難しそうなので、←を証明してみよう。


08030608.jpg

まず、Nの約数の和Sを求めると
08030609.jpg

よって、N=S-N
となり、Nの自分自身以外の約数の和がNとなる。


完全数にまつわるエトセトラはまだまだあるので、次回も問題を解きながら完全数に焦点を当てたいと思う。

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2008年03月06日 | 初等整数論 | トラックバック(0)件 | コメント(0)件



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