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数学史、整数論、数学オリンピック、未解決問題・・・をわかりやすく証明を通して解説していきます。

2008年日本数学オリンピック本選 第二問

第二問です。

08040601.jpg

2008人??なにやら、見たことのあるような、無いような問題・・・

どうやら、今年の数学オリンピックは丸い机に座るのが好きなのか・・・
そして、前回は右隣だったような・・・
数学オリンピック予選第10問


正直言って、こういう問題苦手です。


こと数学オリンピックのような難問・奇問は、問題文が短ければ短いほどヒントを見つけにくい為、難しいと言いますが、私は長い問題はあまり好きではありません。

この問題を解くのと、2008人が座れる円形の机を作るのとどちらの方が難しいのか?


では、解答してみます。


このままだと、何ターンなのか想像もつきませんね。

一度、実験してみましょう。

勝手に左周りに番号をつけて、1,2,3の席の人は赤いカード2枚。
他は、皆白いカードしか持っていないとします。


08040602.jpg

こんな感じですね。

という事は次のターンは

08040603.jpg

2ターン目

08040604.jpg

3ターン目

08040605.jpg

ってな感じですね。

どうやら、この調子で行くと、7ターン目で一枚ずつになる。


他に例えば
08040606.jpg

こん感じだったら、

1ターン目は

08040607.jpg

2ターン目は

08040608.jpg

このままだと、どうやら7ターンで終了しそう。


なんとなく、見えてきたような気がする。


なるべく、ターン数が大きくなるようにするには

「赤いカードを少なくとも1枚以上持っている人が並んで座れば座るほど、ターン数が大きくなる」



おそらく、こんな感じに座れば最大になる。

08040609.jpg

この時、かかるターン数は2007ターン。

これが最大値をとるっぽい。



ちなみに、
08040610.jpg
この場合でも2007ターン数かかる。


ここで、2007ターンが最大値である事を証明する。

証明すべき事は
①2007ターンかかるカードの配り方が存在する。
②2008ターン以上かかる事はない。


これが示せればよい。


実際に、①に関してはわかっているので問題は②である。


(補題)
2008ターン以上かかる配り方は存在しない。



まず、白いカードを1枚以上持っている人は、その1枚はずっと動かないと考える。
要するに、次のターンで赤いカードが来ても、白いカードが来ても、そのカードを次のターンに渡す事になります。


赤いカード2枚持っている人に焦点を当ててみると、赤いカード2枚持っている人は、初めて白いカードが来た時点で、その白いカードが固定される。

そして、2008枚の白いカードが全て固定されるされるターン数を考えてみる。

もし、2008ターン以上かかって、題意を満たす状態になる時、ある固定されていない白いカードは2008ターン後には、最初に持っていた人に戻ってくる事になる。

白いカードが、2008人のプレーヤー全てに固定されなかったという事は、全ての人が赤いカードと白いカードを1枚ずつ持っている状態になっている。

これは、2008人のプレーヤーが2008枚の赤と2008枚の白いカードを配っている状態ではありえない。
要するに2008ターン以上で題意が成立することはありえない。

従って、最大のターン数は2007回である。


~一言~

何とも言いがたい問題でした・・・

こういう問題は嫌いです・・・


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2008年04月06日 | 数学オリンピック本選 | トラックバック(0)件 | コメント(2)件



コメント
結構、あっさりとした解答ですね。

解答だけ見てたら解けそうに思えそうだが、
実際にはなかなか解けない。

やはり難しい問題です。
2008/04/06(日) 23:01 | URL | リウ #-[ 編集]
リウ>

確かに難問です。奇問ですかね・・・?

答えは概ね理解していても、それを説明しにくい。
説明する言葉を選べない。

どこまでを周知の事実とするのか?

これって本当に証明になってるの?

という所が、アルゴリズムの難しさですね。

こういうのは本当に難しいです。
2008/04/07(月) 22:34 | URL | オイラー #-[ 編集]
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 整数論、解析学、幾何学
 複素数、数列 etc
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